Agent初心者ガイド:ゼロから始める小さなアシスタントを作る
1. Agentとモデルの違い
- 普段使っているのは「モデル」ではなく、ツール連携・記憶・対話などの機能を持つAgentです。
- 狭義のAgentは、自律判断・ツール統合・記憶と外部環境とのやり取りができます。
- 広義のAgentには自動化スクリプトや人間も含まれ、タスクが複雑になるほど体系は多様化します。
- 今回は主に“狭義のAgent”を解説しますが、今後は広義のAgentとしてのエンジニアリング利用も増えるでしょう。
2. モデルとタスクタイプのマッチング
| タスクタイプ | 推奨モデル | 特徴 |
|---|---|---|
| 流れが明確・安定 | 非推論型 | 手順通りで安定した出力 |
| 柔軟・クリエイティブ | 推論型 | 自主的に考え、新しい内容を創出可能 |
| 複雑なデータ分析 | 大ウィンドウ | 長文脈対応で大規模データ処理が得意 |
| 高速応答・単純 | 軽量モデル | 速さ重視、チャットや生成に向く |
- GPT-4.1はバランス型でデフォルト推奨。Claudeは今後Kocoroに百万ウィンドウで導入予定。Gemini 2.5 Proは高品質。Flashは高速だが指示遵守が限定的です。
3. システムプロンプト設計のコツ
- プロンプトフレームワークに「必須」は無い。タスクに応じて選ぶことが大事。
- タスク・品質要件が高いほど要素を足し、プロンプトが長すぎないよう注意。
- プロンプト設計は実践と試行錯誤が大切。
4. ツール統合とAgent能力の拡張
- ツール利用でAIは「話す」から「実行」へ。Agentの能力範囲が大きく拡大。
- ツールは能力拡張であり、何ができるかは持っているツール次第。
- 実装は「コードリレー」で行われ、強力なツールほどプロンプトでしっかり指示する必要がある。
- ツールやナレッジベースは多ければ良い訳ではなく、使い分け・集中が大事。
5. ナレッジベースのポイント
- ナレッジベースは検索エンジン的に「必要な時だけ部分参照」される。
- 情報量が多い場合はナレッジベース、毎回必要な原則等はプロンプトに入れるのが有効。
- ナレッジベースは計算処理には向かず、検索やリファレンス用途がベスト。
6. プランニングと品質管理
- 「全部自動」のスーパーAgentを目指しがちだが、**In the loop(人の確認・介入)**で品質を担保する方が現実的。
- どこをAIに任せ、どこで確認するかプロンプトで明記する。
- 今後はエンジニアリングやUXで、より直感的な体験作りが進む見込み。
7. Reflection/ReAct(振り返り・自己修正)
- 半自動では推論モデルを優先し、出力を見て手動でプランニング修正。
- 完全自動化にはエンジニアリングが必要。現状はユーザー側でできることは少ない。
8. Collaboration(協働)
- ひとつのAgentに機能を詰め込みすぎず、チームワーク=Multi Agentで役割分担すべき。
9. よくある課題と経験
- ナレッジベースの検索精度が悪い場合は、ツールの検索キーワードを見直し、プロンプトでガイドする。
- タスク分割時は、どの段階でユーザー確認が必要かを明確に。
- ツールが多いほど、プロンプトで利用シーンを明確に指定し混乱を防ぐ。
まとめ
- Agent構築の要点:タスク分解・モデル選択・プロンプト設計・ツール統合・ナレッジベース設計・能力分割・段階的チューニング
- 初心者向けアドバイス:プロンプト+モデルから始めて、徐々にツールやナレッジベースを試す。問題はすぐ相談・たくさん実践を!
- 上級者は:API連携、半自動プランニング、リフレクション、Multi Agent協調、人間とのUXに注目