Agent初心者ガイド:ゼロから始める小さなアシスタントを作る

Agent初心者ガイド:ゼロから始める小さなアシスタントを作る
Photo by Mohamed Nohassi / Unsplash

1. Agentとモデルの違い

  • 普段使っているのは「モデル」ではなく、ツール連携・記憶・対話などの機能を持つAgentです。
  • 狭義のAgentは、自律判断・ツール統合・記憶と外部環境とのやり取りができます。
  • 広義のAgentには自動化スクリプトや人間も含まれ、タスクが複雑になるほど体系は多様化します。
  • 今回は主に“狭義のAgent”を解説しますが、今後は広義のAgentとしてのエンジニアリング利用も増えるでしょう。

2. モデルとタスクタイプのマッチング

タスクタイプ推奨モデル特徴
流れが明確・安定非推論型手順通りで安定した出力
柔軟・クリエイティブ推論型自主的に考え、新しい内容を創出可能
複雑なデータ分析大ウィンドウ長文脈対応で大規模データ処理が得意
高速応答・単純軽量モデル速さ重視、チャットや生成に向く
  • GPT-4.1はバランス型でデフォルト推奨。Claudeは今後Kocoroに百万ウィンドウで導入予定。Gemini 2.5 Proは高品質。Flashは高速だが指示遵守が限定的です。

3. システムプロンプト設計のコツ

  • プロンプトフレームワークに「必須」は無い。タスクに応じて選ぶことが大事
  • タスク・品質要件が高いほど要素を足し、プロンプトが長すぎないよう注意。
  • プロンプト設計は実践と試行錯誤が大切。

4. ツール統合とAgent能力の拡張

  • ツール利用でAIは「話す」から「実行」へ。Agentの能力範囲が大きく拡大
  • ツールは能力拡張であり、何ができるかは持っているツール次第。
  • 実装は「コードリレー」で行われ、強力なツールほどプロンプトでしっかり指示する必要がある。
  • ツールやナレッジベースは多ければ良い訳ではなく、使い分け・集中が大事。

5. ナレッジベースのポイント

  • ナレッジベースは検索エンジン的に「必要な時だけ部分参照」される。
  • 情報量が多い場合はナレッジベース、毎回必要な原則等はプロンプトに入れるのが有効。
  • ナレッジベースは計算処理には向かず、検索やリファレンス用途がベスト。

6. プランニングと品質管理

  • 「全部自動」のスーパーAgentを目指しがちだが、**In the loop(人の確認・介入)**で品質を担保する方が現実的。
  • どこをAIに任せ、どこで確認するかプロンプトで明記する。
  • 今後はエンジニアリングやUXで、より直感的な体験作りが進む見込み。

7. Reflection/ReAct(振り返り・自己修正)

  • 半自動では推論モデルを優先し、出力を見て手動でプランニング修正。
  • 完全自動化にはエンジニアリングが必要。現状はユーザー側でできることは少ない。

8. Collaboration(協働)

  • ひとつのAgentに機能を詰め込みすぎず、チームワーク=Multi Agentで役割分担すべき。

9. よくある課題と経験

  • ナレッジベースの検索精度が悪い場合は、ツールの検索キーワードを見直し、プロンプトでガイドする。
  • タスク分割時は、どの段階でユーザー確認が必要かを明確に。
  • ツールが多いほど、プロンプトで利用シーンを明確に指定し混乱を防ぐ。

まとめ

  • Agent構築の要点:タスク分解・モデル選択・プロンプト設計・ツール統合・ナレッジベース設計・能力分割・段階的チューニング
  • 初心者向けアドバイス:プロンプト+モデルから始めて、徐々にツールやナレッジベースを試す。問題はすぐ相談・たくさん実践を!
  • 上級者は:API連携、半自動プランニング、リフレクション、Multi Agent協調、人間とのUXに注目